サウナと同時に耳にする機会の多い"自律神経"という言葉。
今回はこの自律神経の動きにフォーカスしてサウナのフローを見ていきます。
自律神経とは
サウナと合わせてみていく前に自律神経について確認しましょう。
自律神経:下記2種類で構成される。心身のバランスを調整する役割を持つ。
・交感神経系:緊張状態、ストレス時(ex.運動時・イライラしてる時)
・副交感神経:リラックス時(ex.睡眠時・食事中・休息時)
自律神経は交感神経系と副交感神経系の2種類に分けることができ、この2つが自動的に体内の様々なプロセスを調整しています。
自律神経とサウナ
この自律神経の働きをサウナと照らし合わせてみていくと次のようになります。
・交感神経系:サウナ・水風呂で働く
・副交感神経系:外気浴で働く
サウナ浴中は"熱い空気に触れる"ことによって、水風呂では逆に"冷水に触れる"ことによって体内でストレス反応が起こり、交感神経が優位になります。
リラックスへ
水風呂を出て、外気浴のフェーズへ移ると徐々に副交感神経優位の状態へ近づいていき、体内が"リラックス状態"となります。これがサウナの時に感じる「多幸感」の原因の一つとなっているのです。
自律神経の強化
サウナに繰り返し入り、習慣化することで自律神経がバランスよく刺激されて、その機能を身体が引き出しやすくなります。その結果、心身の状態が安定しやすくなるといわれています。
例えば、サウナに入れば入るほど暑さや冷たさを感じにくくなるのは自律神経の働きが強化され、環境適応が得意になってきているからだと考えられているそうです。
心身の安定と強化
前述したとおり、サウナに繰り返し入浴することによって引き出しやすくなった自律神経の機能は、心身を外的ストレスから遠ざけてくれます。
そのおかげで「うつ病リスク軽減」「パフォーマンス向上」「睡眠の質向上」といった副次的な効果が期待できると考えられているのです。
サ ウナ療法は重症 を含めて慢性心不 全の包括的治 療 に極めて有用で あることを証明 してきた。 さ らに全身の さまざまな疾患 、例えば生活習慣病 、 慢 性閉塞性呼吸器疾患、膠原病 、心 身症 、慢性 疼痛、閉塞性動脈硬化症 な どに も治療効 果を有 し、 さらに術後回復 、免疫賦活 に有用 である こ とを見出 して きた。(日温気物医誌第68巻1号 21世紀における温熱療法の新しい展開 鄭 忠和 2004年)