サウナは、"ニ日酔いを悪化させるのにかなり適した環境"です。
アルコールが体内に残った状態でサウナ入浴をするという行動は、様々な健康リスクをはらんでいます。今回は実例を交えて、二日酔い×サウナの危険性を解説していきます。
サウナは二日酔いによる症状を助長する?
1.軽度の離脱症状
2.ホルモン異常・脱水・低血糖・その他
3.酸塩基平衡のアンバランスや電解質の異常
4.炎症反応の亢進
5.睡眠や生体リズムの障害
6.アセトアルデヒドの蓄積
7.胃腸障害
8.メタノール
9.酒に含まれる不純物(congener)
10.その他
(e-ヘルスネット 厚生労働省 取得年2023)
サウナ入浴は汗をかいて爽快感を味わえる半面、自ら軽い脱水状態に陥る行動でもあります。
脱水は、アルコール摂取によってもたらされる様々な症状を更に悪化させると考えられているそうです。
発がん性物質の血中濃度上昇
サウナ発汗
➡ 脱水を助長
➡ 血中の水分が減少
➡「アセトアルデヒド」の割合が上昇
体内にアルコールが残っているうちはトイレに行く回数が増えますよね。
この、アルコールの利尿作用と、サウナの発汗作用が掛け算して脱水が凄まじい速さで進みます。
アセトアルデヒド:吐き気や動悸の原因物質であり、発がん性も疑われている。たばこの煙にも含まれている。(e-ヘルスネット 厚生労働省 取得年2023)
回復が遅くなる上、危険
二日酔いを治すのに最も大切なことは「水分補給」だと考えられています。
なぜなら、アルコールやアセトアルデヒドを分解するのに水分が必要だからです。当然ですが、サウナで発汗するとその分解は阻害され、二日酔いから回復するのが遅くなってしまいます。
- 脱水が進行しすぎると ➡ 発汗による体温調整が困難に ➡ 体温上昇・熱中症を起こす可能性UP
- 血中の水分が減少 ➡ 血液が固まりやすくなる ➡ 最悪の場合、脳梗塞や心筋梗塞
急性肝不全になった事例も
アルコール摂取後にサウナに入浴し、急性肝不全を起こした事例もあります。
32歳の男性が大量飲酒後、サウナに入浴
➡ 血圧低下、意識障害、火傷
➡ その後昏睡、死亡(出血、急性肝不全がみられた)
(サウナ入浴後急性肝不全とDICを併発した一症例 吉村良之介 1979)
これは飲酒直後の入浴だったこともあるので極端な例ではありますが、最悪こういった事態も起きかねないほど"酔った状態"や"アルコールが体内に残った状態"でのサウナは危険だと言えそうですね。
まとめ
"アルコールを抜くためにサウナに入る"という行動をしている方を割と頻繁に目にします。しかし、アルコールが体内に残った状態でサウナに入ることは、危険が伴う行動だということが分かったと思います。
楽しくサウナを続けるために、こういったリスクをしっかり認識したうえで、危険な入り方は避けるよう心がけましょう。